CEVOTEC
Cevotec社製 ファイバーパッチプレースメント装置
ファイバーパッチプレースメント装置は、連続繊維を使用した従来の自動積層装置では積層が困難な、複雑曲面を持つ三次元形状のプリフォーム製造に適しています。CFRP、GFRP、フィルム接着剤等、ロール状のテープを定型にカットし、カットされたパッチを自動的に成形型上へ積層します。
繊維を荷重方向に沿って配置することで、繊維の持つ強度を最大限活用することが可能なため、強度を維持したまま軽量化を達成することが可能になります。また、従来は手作業が中心であった複雑形状部品の積層を自動化することで、品質管理の向上だけでなく製造コストの削減を実現します。
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適用アプリケーション
最大で4種類の材料を一つの装置で処理することが可能なため、ハニカム構造部品など異種材料を使用した部品を効率的に製造することが可能です。その他、軽量化が求められる航空機や自動車部品の製造をはじめ、水素燃料タンクのドーム部分などの補強に適しています。 -
主要構成機器(SAMBA Proの例)
切断された各パッチはカメラによる画像検査を経てグリッパーへと供給されます。許容範囲外のパッチは廃棄トレイへ収集され、部品積層には使われません。グリッパーとパッチの相対位置をカメラで認識し、型へ移動する間に位置補正を行います。 -
グリッパー
グリッパーの柔軟性は非常に高く、複雑な曲面を持つ型上にパッチを積層することが可能です。グリッパーのサイズは製品形状によりカスタマイズ可能で、今現在A4サイズ相当(200x300mm)まで対応しております。異なるサイズのグリッパーを自動交換する機能も備えています。 -
連続繊維と比較した場合のFPPの優位点
連続繊維を使用した疑似等方性積層等では、部品形状により繊維が本来持つ強度を完全に活かし切ることが出来ません。上図の供試体において、引張荷重により部品内に生じる応力の方向と繊維方向の角度が平均15°開いていた場合、強度は繊維強さの20%以下となります。一方、FPPでは角度の開きが平均1.4°と小さく、繊維強さの90%近くを発揮します。 -
ARTIST STUDIO – デジタル製造プロセスソフトウェア
FPP技術のポテンシャルを最大限に発揮するため、Cevotec社はARTIST STUDIOと呼ばれる一連のソフトウェア製品群を自社開発しております。
CAD – PATCH ARTIST
ARTSIT STUDIOのラミネート設計モジュールです。ツリー構造に従って上から順番に各種設定を行うことで、誰でも簡単にラミネートを作成することが可能です。ラミネートの方向を決定づける荷重パスは、スプラインカーブとして他のCADシステムで作成した形状を読み込むか、PATCH ARTIST内に読み込まれたCADジオメトリよりガイドカーブとして作成することも可能です。
(読み込み可能ファイルフォーマット:STEP、IGES、STL、CATPart–コストオプション)
CAM – MOTION ARTIST
パッチ積層シミュレーション、およびプログラム出力を行うモジュールです。干渉チェック機能を備え、シミュレーション上で安全性を視覚的に確認することにより、製造準備にかかる時間を大幅に短縮することが可能です。
ARTIST STUDIO PLUG-IN
市販されているFEM解析ソフトウェア用のプラグインモジュールです。PATCH ARTISTで定義された通りにパッチ積層モデルを自動作成し、各パッチの繊維方向やギャップ・オーバーラップによる厚みの分散等を検証することが可能です。 -
SAMBAシリーズ
テープフィード&カットユニット、パッチ積層ロボット、積層型の保持ユニットはアプリケーションに合わせて自由に組み合わせることが可能です。
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